甘いお稲荷さんと甘い四人
2時間もかからずかるーく読んでしまいました。
表紙に惹かれた。
あまからカルテット
食べ物の表現がとても美味しそうで、1話目から読み終えるまで(今でも)お稲荷さんが食べたい。
無性にお稲荷さんが食べたい。
そんな、お稲荷さんのお話でした。(違う)
簡単にあらすじ
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ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手な由香子。一見ちぐはぐな四人は女子校時代からの親友。困ったときはお互い様。みんなで助け合いながらそれぞれの困難を乗り越える推理小説
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一応推理小説とはなっていますが、推理っぽくはありません。
坂木司さんの「和菓子のアン」っぽい感じです。
女性は年齢に関わらず集まればかしまし娘に早変わり。
お互いの趣味も、お互いの家庭環境も、そして、お互いの仕事も全く違うけれど、なぜか一緒にいるグループ、いまでもいません?笑
女性であれば、なんとなく理解がしやすいと思います。
この四人はそれぞれの悩みをそれぞれの方法で解決していきます。
みんな違うからこそ、結果にたどり着く道筋も全く違います。
ですが、誰もが親友の悩みのために奔走します。
その中心には必ず食べ物がありました。
美味しい食べ物、美しい食べ物、ときには失敗作もあるでしょう。
しかも登場する食べ物は高級な食べ物ではありません。
お稲荷さんや甘食など、身近で懐かしい食べ物ばかり。
そんな、日常を描いた作品です。
推理小説と思って読んじゃダメです。
なぜなら、本でしかあり得ないような偶然の産物による解決方法がたくさんあるからです。
この作品は、あくまで日常のお話、読むとちょっと心が軽くなって、昔の仲の良かった友達に連絡を取りたくなるような作品です。
あと、お稲荷さんが食べたくなる作品。
柚木麻子さんはこの作品ではじめて知ったので、他の作品も読んでみたいと思いました。
庶民、というとちょっと言い方が悪いですが、だれにでもある身近な日常を描くことがとても上手な方という印象を持ちました。
だから想像もしやすいし、なんとなく四人の親友のなかの一人になったような感じになります。
坂木さんと同じ系統の作品として、ほっこりしたい時、さっくりとほんよを読みたいときにおすすめです。
初心者向け。
玄人にはすこし足りない腹四分目くらいの作品です。
また読みたい、というより読んでしまうような作品です。
あの、お稲荷さんに会いに。
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