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努力なんて嫌いだ

暇があれば寝ていたい

サヨナライツカ、愛したことも愛されたことも思い出す話


大好きで大好きで思い入れの強い作品。
経緯としては西島秀俊さんが好きだったから見始めたと記憶している。
本が先だったかな?
もう、覚えていないくらいどちらの作品も好きで仕方ない。


サヨナライツカ


人は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、愛したことを思い出すのか

 

 

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)

 

 

 

簡単にあらすじ
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好青年の東垣内豊は航空関連の会社に勤めるサラリーマン。
経済成長の著しいタイに単身赴任となり、そこで真中沓子と出会う。
豊には光子という婚約者がいるが、タイで沓子との逢瀬を重ねる。
自由奔放で魅力的な沓子に溺れまいと豊は別れを決意。
そして、数十年後に沓子と再会する。
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あらすじを書こうとすると盛大なネタバレになるし、
感動的なシーンが感動できなくなってしまうので(私の力量の問題で)、この程度にとどめておこうと思います。

個人的に同じような経験をしたからこそ、この本に共感して仕方がないというのもありますが、その経験をする以前からも、私はこの本が好きでした。
理由は分からないけれど、あの薄い本の見た目に反して中身がディープだったからかも。
あまりに現実離れしていて、逆に清々しい。
本に関しては、読み終わってぽろぽろ泣きました。
自由奔放で魅力的な沓子さんの思いに泣けました。
(涙腺弱いんです)
(ちなみに映画でも泣きました)

 

自由奔放で魅力的でいることってどれだけ大変か。
実際、自由奔放に生きれるのって羨ましいと思いますか?
私は思いません。
どこまでも自由なキャンバスには、何を描いて良いのか分からなくなるんです。
描いたって描いたって描いたってなくならない空白を埋める作業はもはや苦痛です。
果てがない、その自由を生きることを選んだ沓子は強い。
そしてその沓子の強さは、弱い自分は求められていないとわかっているからこその強さです。
あぁ、沓子さん健気。

 

映画では、話というよりも、出演者を楽しむ色合いが強く出ていました。
バンコクのマンダリンオリエンタルのサマーセット・モーム・スイートの豪華さなどは、本で表されるよりも、実際に映像にしてもらえるほうが分かりやすいし、そのほうが楽しめる。
見たことのないような豪華さって、想像しにくいから。
そして、バンコクの空気感や、日本家屋の静謐さなど、そのコントラストはとても上手に表現されています。
そして、出演者も豪華。というか、ぴったり。
中山美穂さんは素敵ですね。
西島さんと豊のイメージもぴったり。
素朴で好青年で、笑顔が素敵で。あの。あの。あの背中。あの筋肉
・・・うん、これくらいにしておこう。


全体的に、思い出風なのか、バンコクの空気感なのか、夢の空間の話だからなのか、全体的に霞んだ画面のままストーリーが進みます。
だからなのか、声が聞き取りにくいときも多々ありますが、それもまた雰囲気なのかな、と。
沓子のミステリアスな感じや、サマーセット・モーム・スイートの豪華さ、街の空気との落差など、コントラストが強い作品なのでその演出かもしれません。

 

数十年後の豊と沓子も本人が演じているので、顔と年齢があっていないような綺麗さですが、おそらく必要以上に老けさせなかったのだと思います。
老けることなく歳をとりそうだから。
見た目で数十年の時を飛ばすのではなく、二人の間に流れるギャップでもう関わることのできない二人を知ってほしいと思います。
右岸と左岸のようだ。笑


本と映画では、印象が違うのは仕方がありません。
時間の制限のある映画では、推敲も演出も仕方がない。
この作品も、本から入るほうが良いのかもしれないと思っています。
本の世界観を大きく崩すことなく、表現を極端にしているので。
「うわ、そこ削ったらだめでしょ・・・」
というところもさっぱりと削られています。
だからこそ、原作を読んでその削られたところの知識をもって映画に挑むほうが、より楽しめるのでオススメ。

 

 

不倫(この段階では浮気)は絶対に許されるものではないし、そんな人滅びればいいと思っています。
私もその行為を恥じていますし、もう絶対にしないと誓っています。
けれど、不倫の本だからという理由だけではなく、私はこの本を大切にしてしまうと思います。
何十年たっても逢ったらその時の思いが溢れてしまう豊や沓子のように、
私の思い出も彼らと一緒にそっとどこか奥に閉じ込めてほしいから。

大好きな本だけれど、絶対に読んではいけない本。

 

 


サヨナライツカ

人は死ぬとき、愛されたことを思い出すのか、愛したことを思い出すのか

私はきっと
  愛されたことを思い出す。

 

 

 

 

 

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右岸と左岸のそれぞれ

まだ左岸だけだけれど、よければご覧ください。

 

shiokonbook.hatenablog.com

 

 

 

 

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