きみが心に棲みついた。私には棲みつかないで、お願いだから。
もっとこう、有名な作家さんの本をレビューすればいいのかしら?
個人的にはマイナーメジャーが好きなのだけど。
漫画も結構マイナーメジャーを読んでしまう。
と、いうこで、今回は漫画のレビューを。
きみがこころに棲みついた
簡単なあらすじ
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きょどこ、こと小川今日子は下着メーカーの材料課の社員。
人と話そうとすると緊張してしまい、挙動不審になる。
大学時代にそんな彼女を救ってくれた彼、星名蓮を忘れることができず、
「ちゃんとした恋人がほしい」と、合コンに参加。そこで知り合った
吉崎にきょどこは目の覚めることを言われ、次第に惹かれていく。
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なんて、書き方はとてもきょどこが女性らしく見えません?笑
ぴゅあぴゅあストーリーの恋愛コミックっぽいですが、そう思って読むと驚きます。
というか、絶句。
でも、読めば読むほど手が止まらないし、
早く次が読みたい!と思ってしまう、鬱漫画。
まず、主人公のきょどこですが、人前に出たりすると緊張で言葉が出なってしまう、極度のあがり症。私もそういうことがあるので共感できる部分もありました。
ですが、あまりに挙動不審が過ぎているので、その極端さが漫画っぽい。
緊張をおさえるためにいつも何かをねじねじねじねじ。
中尾巻(今これって通じるの?)が基本スタイルです。
過去のトラウマがあったり、母親にも煙たがられていたりと、本当にかわいそうになってきます。
あがり症の原因は「失敗を恐れる」「他人からの評価をきにしすぎる」と言われていますが、
彼女の場合はそれが習慣になってしまっているようです。
もう、身体に染み付いて離れなくなってしまった癖なんだと思います。
そして、そうなってしまった大学時代の頃のトラウマも、体に染み付いてしまっているので、どうしても抜けられないんでしょうね。
きょどこ、見た目は結構可愛いと思うんだ。素朴な感じで。
その挙動不審がなければモテるんだと思うよ。
そして、意を決して合コンに参加してみれば「ちゃんとした恋がしたい」と発言をして叱られてしまうし、
その叱ってくれた吉崎さんを一途に好きになってしまうし、
その人に連絡したい、とか、すきですきでしょうがないアピールとか、
女子のきょどこが本当にかわいい。
応援したくなる。
仕事にも一生懸命だし、恋も頑張るし。
彼女の欠点は挙動不審なところだけじゃなくて、猪突猛進、一途すぎるところ。
なぜって、それが彼女を傷つけることになるから。
このお話のなかで欠かせないきょどこのトラウマ人物「星名蓮」
イケメンもてもて仕事もできちゃう完璧人間。
じつは大学時代にきょどこと接点があり、まぁ、見た目に反してひどい人間。
「言うことを聞いたら他の女全員と別れるから」ときょどこに伝えて、
友人と体の関係を持たせるという。(しかも星名自身はどの女とも別れていない)
そうやってきょどこが傷つく姿を見て楽しんでいます。
最低男。
そうやってトラウマを抱えているきょどこを、星名はことあるごとにいじめます。
もちろん、星名にもそうなった理由がありました。
これも自分勝手なので、だからいじめをしていい理由にはならないですが、
星名も不運な人生を歩んできているので、もやもやした気持ちを抱えてしまう。
最低男には変わりないけどね。
星名はきょどこを追って(?)、同じ会社に入社、会社でもプライベートでもいじめ通します。
その執念たるや。どこが爽やかイケメンなのか疑うほど。
もちろん、きょどこが思いを寄せる吉崎さんにも標的が。
吉崎さん、ちゃらんぽらんに見えるけど、私は好きだよ。
星名はどこまできょどこをいじめれば気が済むんだろう。
表紙はパステル調でかわいい感じですが、中身は超がつく鬱。
みんなそれぞれ鬱を抱え、それでもがんばっている姿が書かれています。
これ、どこかに救いがあるのかな?
吉崎さんが救い?
それとも、最終回に向けて救いがあるのかな?
それとも救いのない系ただの鬱漫画かな?
現在も連載中ということで、先がまだまだ楽しみではありますが、
気分が鬱の時に読むともっと鬱になってしまうので、
わりとひっぱられない自信のあるときに読むと良いです。
とはいえ、気分が良い時に読む本でもないです。
ムズカシイ
既刊の「きみが心に棲みついた」全3巻では、終わり方が尻切れトンボ。
続く「きみが心に棲みついたS」を続けて読みましょう。
なんで3巻でいったん終わったのかも謎。
いったん打ち切りになったのかしら?
以上、きょどこを応援する会、会員より。
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こちらもぜひ~