対話篇と映画篇と本多孝好
対話篇が好きなので、こちらも読んでみました。
映画編
簡単なあらすじ
----
ある時代の、ある町を舞台にしたハートウォーミングストーリー。
短編が連なっており、各章で主人公が変わります。
在日朝鮮人の話、未亡人の話、いじめられっこの話、家族の話。
「映画」を中心に様々な人間模様を描く。
----
映画編は、 少し厚めなので週末にまとめ読みしようと置いていました。
ようやっと読んであげましたよ。
1章目から在日朝鮮人の話だったので、 ちょっと苦手意識があったということもありますが。
(同人の「GO」が苦手だったので)
自身の経験なのか、実際にそういうものなのか、 フィクションなのか定かではないですが、暴力表現というか、 語り口が暴力的な印象を受けてしまい、敬遠をしていました。
今回もそんな感じだったので、苦手意識を持たれるかたは、 2章から読むことをおすすめします。
1章以外で在日朝鮮人の話がでることはありません。
対話篇では全く異なる人々の話でしたが、 映画編は各章繋がっています。
なにが繋がっているかといえば、時代、場所、「ローマの休日」。
そして、対話篇同様に映画編も最終章が最も長いです。
今回は「ローマの休日」の種明かしが最終章に書いてあるので、 楽しみに読み進めていってください。
全体的に、話を具体的に思い出せるかと言えば、 そういう本ではありません。
ストーリーを楽しむよりも、 各章に登場する人物に優しさを覚える作品です。
そして、全体的な印象も、水の中でふわふわとしている感じです。 (どんな感じや)
わりと対話編と同じ感じかもしれない。
金城さんはおばあさんが好きなのかしら?
なにか、思い入れがあるのかしら?
今作の最後も、対話篇の最後もご老人が主人公のお話でした。
しかも、結構かわいい感じの。
厳つい感じはしませんでしたね。
どおりで同じようなテイストになるんだと納得しました。
対話篇も映画篇も、WILLやMOMENTのようなもの悲しさと、温かさを感じました。
同じ舞台で主人公が変わる短編集の感じといい。
でも、金城さんのほうが独特の言いまわしかもしれません。
本多さんのほうがさらっとしている感じ。
よく分からないよね。笑
この本は、対話篇のあとに読むと良いかもしれません。
なにも関係ないけれど、金城さんの入りとしては対話篇がおすすめなので。
そして、映画篇の始まりが在日朝鮮人の話で私が苦手だったので。笑
厚い本なので、初心者にはあまりおすすめできません。
短編集に挑戦してみようと思っている方にはおすすめです。