ずっと、ずっと感じていた。
ずっと、ずっと感じていた。
「ここにいちゃいけない」
「私がやりたいのはこんなことじゃない」
「私は」 「私は」
ずっと虚しさと一緒にいた。
ともすれば、ぱたぱたと涙が流れそうだった。
だからといって、なにがしたいかは分からない。
まだ、高校生のような自分に時々腹が立つ。
むかしは想像することが好きだった
いつしか現実だけが信じられることになっていた
未来も過去も見えなくなって
「今」だけを生きている私は
その実「今」に置いていかれている。
好きなことが分からない
だって、なにができるか知らないから
嫌いなことが分からない
だって、比較できることがないから
嫌うほどの活力も興味もない。
ここではないどこかに、私は行きたい。
根っこをはって、「ここ」に留まることは苦手だ。
「なにかを成し遂げたい」と、熱量を注げない。
そう思いながら、また、私は本の世界に戻っていく。