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努力なんて嫌いだ

暇があれば寝ていたい

下町も田舎も知らない転勤族の話


「切れない糸」という本を読んだ。
下町の商店街のクリーニング店を中心にした、軽く読めるミステリー小説である。

 

昨日友人と飲んだ。
就職で上京してきた友人で、「地元」というものがある。

 

父親が転勤族だった私は「地元」や「幼馴染」という存在を知らない。
母親がブランド好きだった私は「下町」を知らない。

それを嫌だと思ったことはないけれど、東京にあこがれるという話を聞くたびに不思議な気持ちになる。

 

私にとって東京は出稼ぎにくる一時の場所ではなく、職場であり地元である。
「東京の人は冷たい」といわれるが、「東京の人」は地元が好きな人もいるから別に冷たくはない。

 

「東京が地元ではない人」は冷たいのだ。

 

繋がりを持つ必要はない。
東京ではない地域に帰る地元もある。
あくまで東京は仮の住まいであって、戦う場所だからこそ、生きていくために冷たくなれる。


だって、田舎がある人は東京で失敗しても「田舎に帰ろうかな」とか言えるじゃん。
東京が地元の人は東京で失敗したら「地方に移り住む」になるんだから、気持ちが違う。

 

たしかに東京には何でも集まるし、物はなんでも揃うかもしれない。
東と西、南と北、沿岸部と山間部、と、各地域ごとに違う様相を見せるから好きな雰囲気を選べる。
それはそれで楽しい。

「中心地」と「それ以外」になるのではなくて、「東京」が一つのブランドである。

 

 

そんな東京に住んでいて、「田舎」のある人と話すと少し寂しくなる。


田舎に帰って子育てしたい
東京のコンクリートジャングルより、緑のある地域がいい

 

東京に上京してきたから元の場所に戻るってだけなのに、自分が捨てられた気持ちになるのはなぜだろう?

寂しい人って言われているような気分になるのはなんでだろう?


田舎がほしい
帰る地元がほしい


さらに、転勤族の父のおかげで、私には地元がない。
「東京が地元」って人よりももっと足元がふわふわした感じがする。

お前のルーツはどこなんだ?

みたいな。

ないっす。

みたいな?

 

幼稚園も小学校も転校をしていて長く付き合っている友達がいない。
当時はまだまだインターネットなんてなかったから、離れたら手紙のやりとりくらいで、それも疎遠になる。(なにせ小学生だから)
これで幼馴染の存在は消えた。
中学からは私立の学校に入れてもらった。
中高大とエスカレーターの学校だったため、そこでようやっと10年は一緒にいた友達ができた。
就職すると、地方にいってしまう人もいる。
これで長く付き合った友達の存在も消えた。

 

おかげ様でインターネットができて、友達とネットで繋がれるようになったからまだ関係は切れていない。
それでも疎遠になったのは確かだ。

人間関係が希薄なまま生きてきたからこそ、他人に関心を持たない性格になってしまった。


人に興味が持てない。
来る者拒まず去る者追わず。(去ったら存在しないものとする)

 

そんな性格に育ってしまった。
割と転勤族の人ってそういうところがあると思う。
すぐに人と打ち解けられるけれど、執着はしない、みたいなところ。

ある程度のうわべの付き合いはできるから、悪く言われることはあまりない。

いろんな土地を経験できてよかったけれど、長く関係を続けて留まるということが苦手なのでそれはそれで問題な気がしている今。

これまで培ってきたことがほんの一瞬で変わるわけもなく。

だからこそ飽きっぽく育ってしまった。笑


そんな自分が嫌いだから「田舎」「地元」「幼馴染」がいる人はとても羨ましく思う。

もっと「地元」を大事にしてほしい。
帰れる場所があることはそれだけで幸せだから。